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きっかけバス、無事終了! -参加レポートとこれから-

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7月14日(土)にスタートした、 助けあいジャパン きっかけバス第一弾。
1泊2日の行程を終え無事終了しました。天気もそれほどくずれることなく、岩手、宮城、福島を周ることができました。

まず最初に、参加していただいた20名のみなさま、福島交通のみなさま、関係者のみなさまに、お礼を申し上げます。

と代表理事モードは一旦おいて、ここからは参加者としてこの2日間を振り返ります。長いので写真だけでもどうぞ!

 

初日(14日)

集合は10時に新花巻駅。集合のサインは、上の写真にある黄色のポスター。黄色にバスの絵が分かりやすくって、みんなすぐ集まってもらいました。

その後、みんなにステッカーとネームカードを渡し、ツアーはスタート。

 

 

今回は20名の参加がありました。マイクロバスにみんなゆったりと座り、まずは自己紹介から始めました。男性8人、女性12人。東京からの参加者がほとんどだったが、大阪や地元宮城からの参加者もいた。ほとんどの方が一人参加。 いろんな場所から参加する人がいるのは、現地集合、現地解散ならでは。迷ったけどこの形にしてよかったと思いました。

 

内陸の新花巻から沿岸部は2時間ほどかかります。それぞれの自己紹介を終え、3月11日直後の映像をみんなで見る。 これがあることで、これから訪れる場所がどういう場所だったのか、何が起こったのかがきちんと理解できました。

 

 

ビデオの情報とガイドさんのお話を聞きながら、バスは最初の目的地大槌に到着。ここから、海岸線を南下していくことになります。大槌についたのは12時。まずは海鮮丼のランチをみんなでいただきました。

 

 

今回のきっかけバスの目的の一つは、被災地を訪れそこの場所でご飯を食べ、人にお話を聞く。あわせて、お土産などを買うことで、東北にお金が落ちること。みんなご飯の後におみやげやお菓子をかっていました。

 

 

その後、現地の方に役場、海岸線を案内してもらい、福幸商店街へ。福幸商店街では、知人でもある高橋さんにご挨拶。6月に訪ねてここにある、きらり駅で休憩させていただいたので、みなさんとも再会がうれしかった。

ふと気づくと、福幸商店街が騒々しい。 何事!?? と思ったら、SPの人がたくさん現れる。 なんと、この日は、野田首相がこの福幸商店街を訪れる日だったのです。

せっかくなので、みんなで野田首相の訪問を見学。 近くまで来られたので、ボクも野田です! って言おうかと思いましたが、もちろんそんな冗談をいう隙は全くありませんでした(笑  首相の訪問についてはいろいろあるようですが、それはまた別の機会に。

 

その後、バスは釜石に向かい、水産業で新規事業にて雇用の創出をされているヒカリフーズの佐藤社長にお話を伺いました。 釜石を案内していただき、復興への思いと現地の雇用を生む、新工場を案内してもらいました。 途中から、助けあいジャパンの情報レンジャー号も合流し、取材も。いろんなお話を伺えました。

 

釜石の次は、陸前高田へ。広田半島から海岸線を通って、津波で一本だけ残った高田松原の奇跡の一本松をみんなで見学。

東北にボランティアに来ていた方は、ボランティアだけして帰ることが多く、実際に一本松を近くで見る機会がなかったようです。きっかけバスではそういった声もあったため、ボランティアはせずに実際に自分の目で見て回り、肌で感じてもらうこと、お話を聞くことをメインにしていました。そういったこともあって、一本松の見学は参加者の人には喜ばれました。

陸前高田をすぎるとバスは岩手県から、宮城県へ突入。今晩の宿がある、気仙沼に向かいました。途中に大型漁船が打ち上げられた場所を見学。道路の横に大型漁船。ここは何度見ても、津波の威力を目の当たりにします。 今回のメンバーは震災後、初めて東北に来た方が多く、初日の最後にこの大型漁船はやはりインパクトがあったようです。

 

 

その日の夜は、一景閣に宿泊。海岸線のすぐ近くなので、旅館自体も被災し、周りにはなにもありません。 ですが、部屋やお風呂はきれいな旅館でしたよ。

 

さて、夜は食事もかねて、みんなで気仙沼復興屋台に繰り出しました。この屋台村には、焼き鳥屋、ラーメン屋、地元の海の幸を食べられるお店が並びます。

私はいつもここにくると大漁丸という、お魚料理をだしてくれるお店へ。海鮮丼や特大ほっけなどの定番メニューから、めだまのたたきという漁師御用達のメニューもいただきました。(めだまのたたき、めっちゃうまいです!)4回目の訪問なので、店主のおばちゃんも覚えてくれていて、助けあいジャパンのシャツを着たマリさんと写真撮影。

 

 

飲んでいたらお店で一緒になったサントリーのラグビー部の方と盛り上がって、写真撮影も。こうやって人と人がつながる場所が屋台村。おいしいご飯とお酒、みんなで話すことで元気になります。みんなでがんばろう! 外から来た自分たちもそうなりました。 人と人が東北でつながる。つながりができることで、もう一回この東北に来たくなります。人に会いに行きたくなります。そんなことが形になった、素敵な夜でした。

(ちなみに旅館に帰ったあとも熱いトークは続き、結局2時まで飲んでましたw)

 

 

2日目(15日)

 

さて、二日目は小雨の中スタート。前日の懇親会でメンバーの間は緊張がほぐれ、車内はリラックスした雰囲気へ。この日は宮城から福島に入るので、きちんとガイガーカウンターで放射線量をはかり、バスをだしました。

2日目、最初の場所は南三陸町。今回のツアーのなかで陸前高田と並び、被害が大きかった南三陸町。海岸線を通って、防災庁舎の前でしばし見学。

 

「言葉がでない」 みんなまさにこの状況。みんな防災庁舎を前に、何も言葉が出てこない。 あきらかに顔つきが変わっていました。1年4ヶ月経って、この状況。 「復興支援もっと必要だね。」「自分は何をすればいいのだろう?」 そういう言葉もバスの中で聞こえました。

 

一人ではこの状況を直視するのは辛い。 だからこそのバスツアーなんです。一人ではどうしようもなくても、みんなでやればできることがある。みんなで周ること、みんなで考えることで、息の長い支援がみんなでできればと思っています。 一人ではやっぱりみんな大変なんです。東京の人も、東北の人も。だからみんなで。 だからこその、バスツアーだと思っています。

 

その後398号線を通り、海岸線を走ることに。車中から戸倉、女川を見学し、石巻へ。途中、たくさんの小学生がなくなった大川小学校へ。

津波に巻き込まれ7割の小学生が亡くなったこの大川小学校。 バスの中でその事実を聞くのも辛い。バスを降りると、供養の演奏がありたくさんの人がお参りされていました。

 

その後、石巻の復興マルシエにて昼食。
石巻は石ノ森章太郎さんのミュージアムがあり、石巻の市内にはこのようなキャラクターがおいてあります。 お土産もあります。 復興マルシエでは、現地のおいしいものが食べれたり、お土産を買えたり、新鮮な野菜などを買うことができます。参加者の人は、ここでもお土産をたくさん買っていました。

 

 

石巻を出ると、最後の福島県へ入ります。ここから一気に弾丸ツアーになります。 高速を通り、福島県の南相馬まで一気に南下。車内から福島の沿岸部を見て行きます。

車内では福島観光のガイドさんが現地の状況を都度説明していただき、あわせて用意していたガイガーカウンターで放射線量がどれくらいかを常にアナウンスしていました。

 

2時間ほど、休憩をかねて南相馬に到着。 道の駅でまたお買い物。ここでも福島のお土産がたくさんあります。みんなここでアイスを食べたりお土産を食べたり、楽しんでいただけたようです。

 

南相馬からは飯館村を通り、福島市へ向かいます。車内では、放射線や除染の知識を身につけてもらうためにカタログを用意していました。
福島というと放射線。怖い場所。 よく知らないとそんなイメージがあると思いますが、正しい情報と知識を身につければ、それほど怖くはありません。実際に福島県内を走る時は、ガイガーカウンターを車内に回し、自分自身の目で放射線量がどれくらいかを確認してもらいました。(飯館村で放射線値はだいたい1μSv/hr 、それ以外はおおよそ0.3μSv/hrでした)

 

飯館村を通過する際には、福島出身のガイドさんも添乗員さんも思いがあふれてきます。家はあるけど、人がいない。目に見えない放射線の怖さや震災時の状況などのお話を伺いました。そこにはもうガイドさん・添乗員さんという形ではない、福島の人としての心からの復興への思い、葛藤を聞かせていただきました。

「福島に来てくださいね。おいしいものがあるんです。桃もお米もおいしいです。口にいれるものはきちんと放射線量は図っています。良かったら福島のものも買ってくださいね。」

 

そんな言葉を聞きながら、岩手、宮城、福島で被災の状況も復興の状況も全く違うことを再認識。 それぞれに支援の形も違う。 みんなの中で、「これから」を考えてもらうきっかけになれたのかな? と感じました。

 

お話を伺いながら、バスは最終目的地の除染情報プラザに到着。

この除染情報プラザは、放射線や除染の最新情報が分かりやすく展示されており、専門家の方のアドバイスもいただけます。 除染された物質がおかれる、仮置き場の情報もあります。本来、17時までしか空いていないのですが今回はムリを言って、17:30まできっかけバスのメンバーへ特別に説明をしていただきました。

分かりやすい説明に参加者のみんなも真剣。「東京でも説明会やってほしいよね」、「雰囲気が明るくて学ぶのが楽しかった」とみんなからも好評でした。

この除染プラザは7月7日にリニューアルしたばかり、雰囲気も本当にいいです。 気軽に入れて、気軽に聞ける。展示の内容も動画や写真がたくさんあり、分かりやすいので本当におすすめです。私も動画をいっぱい撮ったので、またアップしたいと思います。

 

そうこうしているうちに、終了時間の17:30に。
福島駅にバスで向かい、ここできっかけバス 第一弾は幕を閉じました。

 

二日間天気も崩れることなく、無事安全に第一回も終了。ほっとした瞬間でした。お世話になった、運転手さん、ガイドさん、添乗員さんと記念の一枚を撮り、次回のツアーもやりましょう! と約束して、福島から東京へ戻りました。

 

最後に

さて、この記事はレポートを兼ねて書いていますが、ここからは個人の思いもいれていきます。今回のきっかけバス、おかげさまで参加いただいた皆さんから好評でした。 「言葉が適切かわからないけど、楽しかった」そういっていたかもいらっしゃいました。

理由は3つあると思っています。

1つには、「これまで」起こったことを、色んな場所に寄り、自分の目で見てもらったこと。現実を直視すると確かに辛いですが、肌で感じてもらいたかったのです。

もう1つには、「これから」の復興のお話を、色んな立場の人にお話を伺ったこと。過去を風化させるわけではありません。過去に起こったことをまず五感で受け止め、その上でこれから必要なことを考えるきっかけがあったことだと思っています。

最後の理由として、そこに人の顔がある・つながりがあるからだと思っています。
一緒に回ったメンバー、現地でお話を伺った東北の人、復興屋台村で出会った現地の人。 いろんな人に会い、一緒に復興を目標に話をする。「この人が頑張っているなら、応援したい」「みんなでやるから、頑張れる」そんな気持ちが自然と生まれてきていたと思います。人の顔がある・東北とつながりができる。だからこそ、また東北に行きたくなるし、支援をしたくなる。

バスを最後に降りてもらう時に、そう感じてもらえることがこのツアーの目標でした。 参加者の人とそんな話が最後にできて良かったです。

 

少し前の話になりますが、きっかけバスは最初は違う名前でした。復興支援を人と人の話にしたい。ボランティア以外の関わり方を増やすために、東北バスをだしたい!そう言って、当時の代表理事のさとなおさん、理事の石川さんに直談判してスタートしました。私はいつもの通り思いが先行し、プランもないのに熱く語ってました(笑

「東北に行くきっかけに、きっかけバスでいいんじゃない?」そういって、きっかけバスの名前と案内文のコピーをみてもらったのは、さとなおさん。

「岩手、宮城、福島の弾丸ツアーにしよう! 被災と復興の状況は場所によって全然違う。 野田くん、ロケハンに行こう! 」と言って、三県の視察に連れっていてくれたのは石川さん。 事業に関してもたくさんアドバイスをいただきました。現地の福島交通さんとの恊働の話も石川さんあっての実現です。

 

さとなおさん、石川さん、私と、3人とも共通していたのは、みんなに東北に行ってほしい。特に若い人に見てもらいたい。 その思いでこのバスの話は始まりました。創始者の二人が得意な分野でアドバイスをいただき、私がアクションをとっていく。7月に代表理事の交代をする時に目指していた、助けあいジャパンの活動の形がこのバスで実現しているのです。

少々、個人的な話ですが、このこともあってバスが実現して本当にうれしかったです。助けあいジャパンのみんなにも、たくさんのサポートをしていただきました。本当に感謝しています。

 

これから、本格的な夏に向けてまたバスを出します。秋にも寒い冬にも、バスを出します。 参加者の人からは、子供向けのバスもだしてほしい。親子連れのバスも、いっぱいバスをだしてほしいとうれしい声をいただいています。

「東日本大震災で被災した人たちに「勇気」と「明日に向き合う気持ち」を送り続ける。」 これは助けあいジャパンのビジョンです。二年目の今、東北以外に住む人にできることは、東北を忘れないこと、少しでも関わり続けることだと思っています。 そのためにもボランティア以外の気軽な関わり方がもっとあっていいと思っています。東北のつながりを作るために、ぜひバスに乗ってもらいたいと思っています。

 

助けあいジャパン きっかけバスツアーは、ボランティアはしません。収益はほとんど現地に回ります。3県を周って、見て、聞いて、食べて、話をして、復興支援のきっかけを考えるツアーです。

 

東北に行くきっかけ。
東北の人々と会うきっかけ。
復興支援をするきっかけ。
みんなで東北のこれからを考えるきっかけ。
そして、いっしょに考える仲間ができるきっかけ。

 

助けあいジャパン きっかけバス。 福島交通さんと私たち助けあいジャパンは東北でまたバスを出します。

今後もどうぞよろしくお願いします。次のツアーは8月31日-9月1日。詳細はこちらをー> http://tasukeaijapan.jp/?page_id=26752

長文読んでいただきありがとうございました。

 

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第一回 きっかけバスに参加してきました-togetter  http://togetter.com/li/339472

 

  • この記事を書いた人

野田祐機

外資系企業、NPOを経て、2016年に株式会社forsistersを起業。eiffelという手紙サービスをやっています。 28歳からブログを始め、コミュニティーやこれからのトレンド、古典、英語学習などの記事を書いています。 プロフィールはこちらから http://learnbydoing.jp/aboutme/

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