野田祐機のブログです

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社会が変わる「きっかけ」の話 

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はじめに

少し、夢のような大きな話をしようと思っています。
私は 社会を変える! って大声でギャーギャー叫ぶようなことはしたくないのですが、社会を変えたいという思いは常に持っています。アプローチはオバマさんのCHANGE! よりは控えめな感じですね(笑

 

多分中学生くらいから、社会に貢献したいと思っていました。地元が長崎なので戦争の話、原爆の話は毎年夏になると聞いていました。祖父、祖母、両親もこういう話には積極的だったからかもしれません。 物心ついたころから原爆のことが頭から離れませんでした。

「人を良くするのも科学、悪くするのも科学の力」そう思って、15歳から高専で化学を学び、つい最近まで世界最大の化学会社にいました。(科学と化学の漢字を間違えて入ったわけではありませんよw 15歳の自分には原爆=化学だったのです)

ヒトが作ったものは、ヒトが直せるはずだ。青いようですが、15歳のころからそう思っていますし、今もそう思っています。実際、世界最大の化学メーカーBASFにいて感じたのは、化学の力は偉大である。社会に貢献できる。しかし、それだけで今の社会は良くならないということです。

 

Material が変わったとしても、今の社会にはもうそれだけで解決できない問題が山積みです。貧困、格差、人口問題、高齢化、食料問題、原子力、政治 その他いろいろ。昔であれば、環境問題や医療、食料問題などは科学の力で解決できました。もちろん、Chemistory(化学)、Science(科学)は人類の発展に必要ですが、今の社会問題の解決にはこれ以外のものが必要です。

何があれば、社会は変わるのだろう? 青い私は、こんなことをずっと考えていました。そして、今社会を変えるには3つのことが変わる必要があると思っています。

 

1つ目はお金です。
評価の軸を経済中心・効率中心から変えることです。 これは分かりやすい例が、環境や社会によいことをすればお金がどんどん儲かるようになること。 そうすれば変わっていきます。もっとぶっちゃけてかくと、「結局金です」。電力の話も、ひょっとしたらここじゃないですか?「経済効率」これがあるから、新エネルギーはまだまだ普及しない。

社会によいことは誰でも分かっているけど、お金がない・効率が悪い。どんなによい研究も、どんなによいNPOも、社会がある日を境に変わることはありえないので、今の社会で通じる「お金」というものがないと、影響力を持ちません。寄付の制度、社会起業、そして経済性以外の軸での価値がお金に変わっていく必要があると思っています。

 

もう1つは組織・リーダーシップです。
これはいかに人を巻き込み、組織を動かしていくかです。組織だけでなく、関連のある人たちや企業を共同体として、どう運営していくかです。そこには悩みもあります、困難に立ち向かっていくリーダーシップと巻き込み力が必要です。

BASFで一番学んだのはここです。世界一の化学会社にいて、放っておいたら、世界を変える物質ができるわけではありません。組織を動かし時に社内政治をして、執念ともいえる想いがあって、みんなで新しい物質や製品を世に出すのです。予算や組織の在り方、自身の在り方と戦う人もいます。

Material が社会を変えるのではなく、人が社会を変えるのです。人の想いが社会を変える。 それが私が世界一の化学会社で学んだことでした。Materialではなく、人なのです。「政治が変わらないと。。。」とおっしゃる方、そう、政治の在り方、政治家のリーダーシップが変わるべきなのはここにあたります。

 

3つ目。最後の1つがあります。それは「参加」です。
分かりやすく書くと、人々です。

さきほどのリーダーシップは、ビジョン、熱意、それを実現する組織としましたが、組織の枠組みが決まろうと、人がそこにいないと始まりません。枠組みはできた。共同体や、仕組みができても、人がそこに参加していないと、その枠組みはうまくいかないのです。 もちろん、リーダーはその巻き込みが重要なのですが、ここに新しいリーダーシップの形が問われ、新しい参加の形が問われていると感じています。

新しいリーダーシップも必要、フォロワーシップも、みんなの参加も必要。ずっと参加する必要はないけど、少しだけ参加する。そんな参加の仕方があってもいいと今思っています。そして、ここが重要なのです。

 

今の社会 -1%の話-

ふとあることをきっかけに、「社会を変える」という、社会貢献活動をしている「人々」がどのくらいいるのかが気になりました。

例として日本にあるNPOは約4万。4万とかくと多いですが、従事している人は一団体20人としても80万人。多く見積もって100万人としておきましょう。多分、数字だけ見るとこんな感じです。 100万って書くと多いけど、人口の1%です。NPOってよく聞くようになったけど、まだ人口の1%しか活動に関われていないと感じています。

社会貢献に興味がある人は1%。99%は興味があっても活動に参加できていない。 この数字、肌感覚だけどあたっていると思っています。

実は調べてみると1%と99%というのはいろんなところで起きている現象のようです。

  • アメリカのOccupy wall street は1%の裕福な人に富が集中していることを、99%の市民が抗議した活動
  • 日本の政治は国民の1%の政治家が動かしている(実際には数万人レベルで1%以下)
  • 日本の市民活動参加者(NPO参加者)は人口の1 % (上述の通り)

 

どうでしょう、先ほどの社会を変える お金、政治、人々の3つ。それぞれに影響力を持っているのは、たったの1% なのです。たった1%の人のなかで、あーでもこうでもないって話が繰り広げられています。

貧困の解決も、格差問題も、食料問題も、原発の問題も、政治も、関わっているのはたった1%。 いつからか私はそう思っていますし、世間一般でみたら、ヒトのために必死で活動できる人は、100人で1人くらい。多分この感覚で当たってると思います。

だけど、これだと、社会は変わらないと思いませんか?

 

これからの社会 99%の人々の話

私がこの1%に気づいたのが、東北にいくボランティアについて考えた時です。背景はこちらの記事を。  続けること、伝えること:1%の1歩先へ

事実、これまで東北にボランティアにいった人の数を調べると、6月末で1,025,900人。 やっぱり人口の1%の100万人です。もちろん被災した東北3県の方やNPOでのボランティア考慮すべきでしょうが、そんな細かいことはどうでもいいのです。1%が2%であろうとそう変わりはありません。

 

復興支援、東北のために、よく聞く言葉です。 でも、こういうのって、実は活動している人はいつも同じで、
同じような人たちが、
同じような活動を
同じようにやっている
だけなのかな? って思ってしまいました。 いつも同じメンバー、同じ内容だったら、やることはそう変わらないでしょう。

それが悪いとは思いません。否定しているわけでもありません。これが現実ですから。

でも、冷静に考えてみると、
「ひょっとすると残りの99%の人にはもっといいアイデアや面白い人がいるんじゃないの? みんな、1%の枠のなかで考えているのじゃないだろうか?」

青いままの私は、こんな変なことを考え始めています。昔から、Think outside the box(既成概念に捕われるな)と教えられていましたので(笑

 

これまでの1%の人の考え、枠組みではなく、99%の人、普通の人たちと一緒に社会を変えていくにはどうしたらいいのか? のヒトが、必死になって関わるだけでなく、99%のヒトも気軽に少しだけ関わる。 そんな形もあっていいと思っています。事実、99%の人たちが社会貢献などに関心がないか?というと、そうではなく、みんな何かに貢献したい人は多いのです。 でも、そのきっかけがない。関わるとボランティアなどが毎日大変。。。 というジレンマを抱えているのです。

 

3年前だったら、夢のような話です。だけど、今はこれが現実味を帯びています。一つの例がソーシャルメディアです。これまで情報発信は一部のマスメディアの役割でした。これがソーシャルメディアがあることで、誰もが情報発信できるようになったのです。1%の強力な従来のマスメディアとは違う、99%の人たちのためのソーシャルメディア。日々の情報をつぶやくだけ。対して影響力もありません。

だけど、そこで人々がつながり、協力しあうことで、エジプトでは革命が起きました。世界中でソーシャルメディアを使って、大量の寄付が集まり始め、新しいムーブメントが起こり始めています。変えているのは1%の人ではなく、99%の人たちです。 名もない個人。ちょっとの貢献、ちょっとの寄付、仕事をしながら、何か少しだけ時間を作る。そのちょっとのアクションが今、社会を変え始めているのです。

一人ではできないけれど、みんなではできる。そのためにソーシャルメディアがあり、社会を変えるためにはそういうコラボレーションの形、参加の形が必要だと思っています。

 

最後に

さて、最後にきっかけの話です。これまでの話をふまえて読んでみてください。私は震災後、助けあいジャパンの活動をしています。7月からはご縁があって、代表理事になりました。

今、震災復興の活動をやっていて感じるのは、この1%の壁です。同じ人たちが、これまでと同じようなやり方で復興をしているように感じます。 現地の人も、現地の人たちだけで復興をやっています。現地以外でも関わっている人はいますが、同じような人たちです。ボランティアに参加した人も上述の通り1%なのです。

ボランティアが1%ということは、実際に被災地を訪れたのもその人数だとも言えるのです。
99%の人にとっては、震災はテレビとインターネットを通じてのものでしかないのです。

テレビで東北の話が減ると同時に関心も薄れています。1年たって、命に関わる緊急時は確かに終わったように感じています。 だけど、復興というともっと時間がかかるのです。 これから10年はかかるのです。

 

この10年間を一部の人、被災地の人だけががんばるだけでいいのだろうか?
みんな疲れちゃうんじゃないの? もっと、ほかの関わり方ってないのかな?
そんなことを考え始めました。

先日、岩手、宮城、福島を周り、そのとき現地の人がおっしゃっていたのは、「私たちのことを忘れないでほしい」、「東北に遊びに来てほしい」。 忘れないことこれが、現地の方の力になるのです。 ボランティアはしないけど、行くだけで現地の人に勇気を与えることになるのです。

色んな人が少し関わってみると、ひょっとすると新しい復興のアイデアが湧くかもしれません。新しい活動が東京や大阪、各地で起こるかもしれない。 ひょっとすると、その活動がきっかけに社会を変えるのかもしれない。

 

そのためには99%の人に関わってもらう、きっかけが必要です。1%かかわるには、覚悟が必要です。いろんなこともしなきゃならない。それこそ、東北にボランティアに行くには、装備も揃え、働かなきゃいけない。 そんなマッチョな関わり方ではなく、気軽に関われるきっかけ。

そんなきっかけが、2年目の復興支援には必要だと思っています。 支援と書くと上からですね。 気軽にかかわるきっかけが、2年目の助けあいには必要なのです。

いろんなヒトに関わってもらうきっかけ。そんな思いで、助けあいジャパンは東北でバスをだします。ボランティアはちょっと。。。と思っていた方も、体力に自信のない女性や若い方、ご高齢のかたにもいってもらいたいバスツアーです。

 

現地のバス会社の方とやることで、参加費のほとんどが東北に周る仕組みにしました。ツアーに行くことで、復興支援になるバスツアーです。

東北に行くきっかけ。
東北の人々と会うきっかけ。
復興支援をするきっかけ。
みんなで東北のこれからを考えるきっかけ。
そして、いっしょに考える仲間ができるきっかけ。

助けあいジャパン きっかけバスツアーです。

ちょっと関わるきっかけ、99%の人が東北に少しだけ関わり始めたときに、そこからひょっとすると社会が変わるかもしれない。東北から日本が変わるかもしれない。 そんな思いで私はやっています。

みんな、一人で変えることはできません。だからこそ、みんなでバスに乗って東北を周り、一緒に何か考えるきっかけになればと思っています。一人で参加していただいても全然大丈夫です。

 

1%の先の新しい関わり方。 私にとっても大きなチャレンジです。
よかったら一緒にどんな形になるのか、見てみませんか?  みんなでこれから支援の形、そして少しだけこれからの社会が形が見えればいいなと思っています。

きっかけバス詳細はこちら。ロゴもかわいくないですか?
とにかく今、東北を自分の目で見てほしいと思っています。

 

さて、気づいたら、長い文書になっていました(笑

最初に書きましたが私はオバマさんのようにChangeを叫ぶことはしませんが、今自分にできることで社会を少し変えるには、このバスを出すことだと心の底から思っています。そして、これからも99%のヒトが関わる、新しい形を創れればいいなと思っています。 きっかけバス、どうぞ宜しくお願いします。

->きっかけバス詳細

P.S
今回は数字の部分を乱暴に1%としていたり、「これまでのやり方」と書いていますが、活動を否定している訳ではありません。これまでのやり方をふまえて、みんなで何か新しい支援の形ができればと思って書いています。Think outside the box です!

 

 

 

今回の記事いかがでしたか?
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  • この記事を書いた人

野田祐機

外資系企業、NPOを経て、2016年に株式会社forsistersを起業。eiffelという手紙サービスをやっています。 28歳からブログを始め、コミュニティーやこれからのトレンド、古典、英語学習などの記事を書いています。 プロフィールはこちらから http://learnbydoing.jp/aboutme/

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